感染症が流行の季節に

1.新型の登場でノロウイルス大流行の可能性

この時期としては、2006年に次いで過去10年で2番目の患者数の多さという感染性胃腸炎が流行中で、厚生労働省が注意を呼びかけています。

感染性胃腸炎には、主に病原性大腸菌やサルモネラなどによる細菌性のものや、ノロウイルスやロタウイルスなどによるウイルス性のものがありますが、今回、とくに流行が心配されているのが、ノロウイルスです。通常、11月ごろから患者数が急増し、春先まで流行が続くことが多いのですが、今年は川崎市健康安全研究所の職員らが発見した新型ノロウイルスとみられる症状が全国的に流行しており、9月30日には、厚生労働省が全国の自治体に、今年は新型が流行する可能性があるとして、予防対策の強化を呼びかける事態になっています。毒性そのものは従来型と変わらないとみられますが、多くの人が免疫をもっていないため、大流行となるおそれもあるからです。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、激しい吐き気や嘔吐、下痢を引き起こします。ノロウイルスは感染者の吐瀉物やふん便中にも存在するので、二次感染を防ぐためにこうしたものの処理には注意が必要です。また、アルコールやせっけんでは殺菌できず、殺菌するには次亜塩素酸ナトリウムの水溶液などを使わなければならないため、手についたものは手洗いで洗い流すしかありません。このため、感染の予防には、まず手洗いが重要となります。きちんと洗い流すには30秒はかかるといいますから、石けんでよく洗い、流水でしっかりと流すといった注意点を呼びかけたいものです。

万一症状が出てしまった場合は、嘔吐や下痢症状で排出されてしまう水分を十分に補給し、脱水症状にならないようにすることが重要です。体液に近い塩分濃度の水分である「経口補水液」やスポーツドリンクを摂取することなどをアドバイスするといいでしょう。

(参考:厚生労働省、川崎市、読売新聞など)

2.RSウイルス感染者数が過去最多に

国立感染研究所が10月27日に公表した「IDWR速報データ 2015年第42週」によると、10月12~18日に全国約3000カ所の定点医療機関から報告されたRSウイルス感染症の患者数は3861人で、この時期としては2005年以降最多となることがわかりました。

RSウイルスは主に呼吸器の感染症を引き起こすウイルスで、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもが感染するとされています。成人の場合、感染しても通常は感冒様症状のみですが、乳児期早期(生後数週間~数カ月間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎や肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあるので、注意が必要です。突然死に繋がる無呼吸発作や、急性脳症といった重篤な合併症を起こすケースも報告されているそうです。なお、RSウイルス感染症にワクチンや治療薬はなく、治療は基本的に対症療法のみとなります。

RSウイルスの感染報告数がピークを迎えるのは冬期で、感染経路は、感染者のせきやくしゃみなどによる飛沫感染のほか、ウイルスがついている手指や物を触ったりなめたりすることによる間接的な接触感染です。乳幼児のいらっしゃる親御さんなど、0~1歳児と日常的に接する機会のある人には、しっかりとした手洗いとマスクの着用をおすすめしていきたいですね。

(参考:国立感染研究所『IDWR速報データ 2015年第42週』、朝日新聞など)


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掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。掲載日:2015年11月16日