地域NO.1になるために! 薬剤師は考えた、薬局・薬剤師はこのままでいいの?

ひとみの前向きな発想と行動により、お客様との関係に少しずつ変化が見られるようになってきていたある日、一緒に店頭に立つ後輩薬剤師の様子が少しおかしいことに気づいたひとみは・・・。

大事なことは、お客様の視点を持ってお客様の望みを理解し、それに応えること。

青井ひとみの後輩薬剤師の守(25歳)は調剤担当であったが、昨年12月から次のパートが入るまでの補充としてOTC販売の担当になった。調剤担当の時は、調剤技術や服薬指導に意欲的で、ひとみに教えを乞うこともあったのだが、今はまったく元気がない。ある晩、ひとみは店を閉めてから守に声をかけてみた。
「最近、なんだか元気がないわね」「はい・・・。たとえ短期間とはいえ、販売員になりたくて薬剤師になったわけじゃありませんから」と不服そうな口調で言う。「あら、じゃあ薬剤師は調剤だけが仕事なの?」とひとみは切り出した。

「例えば、何種類ものマスクの中からこれを買おうと決める時、お客様はどんなことを考えると思う? ①マスク自体に自分の求める機能があるか ②自分にとって利便性が高いか ③値ごろ感があるか。じゃないかしら?」守は、不安な表情でひとみの話を聞いている。
「もちろん、お客様はさまざまだけれど、お客様の視点や思考に思いをめぐらせれば、私達が店頭でどんなサポートをすればよいかハッキリ見えるんじゃないかしら。」ひとみは、お客様視点の仕掛けを作れば“これが探していたマスクだ”と、面白いように売れることを守に伝えたかった。
「例えば、さっきのマスクを例にあげれば、今シーズン登場した新機能付きマスクは誰もがまず手に取るに違いないから<新機能付き>をアピールしてはどうか? とか、マスクをはずした時、清潔に保存できる簡易ケースを用意してパッケージ販売したら、価格を上げても付加価値があるから買ってくれるんじゃないか? とか、ちょっと考えただけでもいろいろ思いつくでしょ?」
「確かに・・・そんな風に考えたことはなかったな・・・。」守は話を聞きながら、何か新しいものを見つけたような気がしていた。

「春になったらあなたはまた調剤担当に戻るけど、そのとき常に、このお客様は何を望まれているだろう、という想像力を持って向かい合えば、これまで見えていなかったお客様の気持ちが見えてきて、服薬指導でも今までと違うアプローチが自然にできるはず。今の仕事がもっと面白くなると思うわ。」
ひとみは、話をするうちに守の目が興味を持ち始めてくれたことに気がついた。
(つづく)

【今回のポイント!】

顧客視点での4C ―― ロバート・ラウターボーン提唱

4Cとは

  • 顧客価値(Customer value)
  • 顧客コスト(Customer cost)
  • 利便性(Convenience)
  • コミュニケーション(Communication)

売り手側の視点として4P(製品Product/価格Price/プロモーションPromotion/流通Place)と言われるマーケティング視点があるが、これに対し買い手側の視点が4Cである。
顧客は製品やサービスを購入する際、その価値や問題点に対する解決策を購入している。製品やサービスの獲得・使用に関連するすべてのコストを考慮し、できる限り簡便に利用できることを望み、双方向のコミュニケーションを望んでいる。マーケティングが「顧客を理解することから始める活動」だとすれば、まず4Cを顧客心理として理解するべきであろう。

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。掲載日:2012年02月06日