「イブプロフェン」に関する使用上の注意

今回は、OTC医薬品のかぜ薬や解熱鎮痛薬で、アセトアミノフェンと並んで主役の一つといえるイブプロフェンに関する使用上の注意について見ていきましょう。

成分名:イブプロフェン

成分分類

解熱鎮痛成分

「してはいけないこと」

次の人は服用しないこと:出産予定日12週以内の妊婦。

理由

医療用医薬品では、イブプロフェンの妊婦への投与に関する記載として、

「妊娠後期には投与しないこと。〔妊娠後期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。また、他の解熱鎮痛消炎剤を妊娠後期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)が起きたとの報告がある。〕」

があります。ここでは「妊娠後期」という表現が使われていますが、OTC医薬品では、より具体的な期間として「出産予定日12週以内」という表現になっています。OTC医薬品におけるこの表現のもとになったのが、同じ注意が必要なアスピリンを含有する製剤の記載項目で、これにならった記載内容のようです。

なお、アスピリンではこの注意事項の記載理由が少し違い、

[妊娠期間の延長、動脈管の早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加につながるおそれがある。海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが、長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、死産、新生児の体重減少・死亡などの危険が高くなるおそれを否定できないとの報告がある。また、ヒトで妊娠末期に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。さらに、妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。]

とされています。
この「してはいけないこと」の項目は、アスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物で共通ですので覚えておくと良いでしょう。

※ 動脈管の収縮――胎児期には肺呼吸をしていないため、心臓から肺に血液を送る肺動脈から、大動脈に血液を送るバイパスが存在する。これが「動脈管」で、出生後肺呼吸に切り替わると間もなく閉じられるが、妊娠後期に特定の医薬品を使用すると、動脈管が収縮して胎児の血液循環に異常をきたすことがある。こうした副作用を起こしやすいのが非ステロイド性抗炎症成分で、動脈管の拡張の維持にプロスタグランジンが関わっているため、この産生を抑制すると動脈管が収縮してしまうとされている。

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。掲載日:2013年03月15日