知っておこう「ジヒドロコデインリン酸塩」

医療用としても広く使用されているジヒドロコデインリン酸塩は、OTC医薬品では中枢性鎮咳成分として用いられます。依存性のある成分(麻薬性鎮咳成分)で、配合薬は指定第2類医薬品になります。また、ジヒドロコデインリン酸塩を配合した鎮咳去痰薬は、「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されていますので、販売数の制限などに注意が必要です。鎮咳効果は高いのですが、使用上の注意も比較的多いので、その特徴を見ていきましょう。

知っておこう「ジヒドロコデインリン酸塩」

【適用・用量について】

・ジヒドロコデインリン酸塩は、OTC医薬品ではかぜ薬と鎮咳去痰薬に配合されます。医療用では、鎮痛作用や止瀉作用をもとにした、疼痛治療や下痢の改善にも用いられますが、OTC医薬品では鎮咳目的以外で用いられることはありません。

OTC医薬品 医療用医薬品
主な適用・用量
【かぜ薬】
<効能・効果>
かぜの諸症状(せき)の緩和
<用量>
1日最大量 24mg

【鎮咳去痰薬】
<効能・効果>
せき
<用量>
1日最大量30mg
<効能・効果>
各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静、疼痛時における鎮痛、激しい下痢症状の改善
<用量>
1日30mg

【使用上の注意のポイント】

・ジヒドロコデインの副作用は、医療用医薬品ではその多くが、作用が強く出たことによって起こるものと、麻薬由来の依存性によるものです。OTC医薬品にも同様の注意がありますが、「重篤な呼吸抑制のある患者」や「気管支喘息発作中の患者」など医療用で「禁忌」とされている注意は、OTC医薬品には反映されていません。
・中枢抑制作用による眠気に関する注意は、平成23年10月に改訂されました。
・授乳に関する注意は、OTCでは以前は「相談すること」の記載項目でしたが、平成21年12月に、「してはいけないこと」の項目になりました。
・「過量服用・長期連用しないこと」はコデイン類を配合した鎮咳去痰薬だけの記載事項で、かぜ薬では「長期連用しないこと」が記載されます。昔からせき止めシロップなどが濫用されがちだったことから、平成22年6月にこの記載項目が変更されました。
・「相談すること」の眠気に関する注意は、「してはいけないこと」の記載を受けて追記されたものです。
・便秘に関する注意は、ここで取り上げたOTC医薬品での記載項目のうち、最も古くからあるものです。医療用では主作用として扱われる胃腸運動抑制作用ですが、OTCでは副作用でしかない、というわけです。

OTC医薬品 医療用医薬品
【してはいけないこと】
服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと
(眠気等があらわれることがある)
【重要な基本的注意】
・眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること
【妊婦、産婦、授乳婦等への投与】
・授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[類似化合物(コデイン)で、母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある。なお、CYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra-rapid Metabolizer)では、母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。]
過量服用・長期連用しないこと
(※鎮咳去痰薬の記載事項)
【重要な基本的注意】
・連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。

【重大な副作用】
・依存性(頻度不明):連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。

【過量投与】
・徴候・症状:呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠(しみん)、心拍数の減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
【相談すること】
服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること
便秘、眠気
【重要な基本的注意】
・眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

【その他の副作用】
・精神神経系(頻度不明):眠気
・消化器(頻度不明):便秘
掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。掲載日:2015年10月29日