知っておこう「プソイドエフェドリン塩酸塩」

一般用医薬品の鼻炎用内服薬に、鼻づまりを改善する目的で配合されるアドレナリン作動成分のなかで、とくに注意が必要な成分として知られているのがプソイドエフェドリン塩酸塩です。そこで今回は、医療用ではあまり用いられませんが、プソイドエフェドリン塩酸塩について見ていきましょう。

知っておこう「プソイドエフェドリン塩酸塩」

【適用・用量について】

・プソイドエフェドリン塩酸塩は、塩酸フェニルプロパノールアミンの代替医薬品として広く用いられることになった、エフェドリンの異性体です。交感神経の刺激作用があり、中枢作用が比較的強めとされています。
・メチルエフェドリン塩酸塩やエフェドリンなどと異なり、気管支拡張作用による鎮咳作用を主な目的として用いられるのではなく、末梢血管を収縮させて鼻閉(鼻づまり)を改善することを目的として用いられます。
・OTC医薬品では、鼻炎用内服薬やかぜ薬に配合されますが、かぜ薬では基準外の成分となります。また、医療用医薬品では、アレルギー性鼻炎に用いられます。

OTC医薬品 医療用医薬品
主な適用・用量
配合製剤
・鼻炎用内服薬
・かぜ薬
配合製剤
・アレルギー性鼻炎治療薬

【使用上の注意のポイント】

・医療用での禁忌や慎重投与にかかわる項目のほとんどが、OTC医薬品では「してはいけないこと」として記載されています。とくに基礎疾患については、OTC医薬品に配合されるほかの交感神経興奮成分で「相談すること」の記載項目になる、高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病などが、「してはいけないこと」に記載されます。

OTC医薬品 医療用医薬品
【してはいけないこと】
次の症状のある人
前立腺肥大による排尿困難
【禁忌】
・尿閉のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
【慎重投与】
・前立腺肥大のある患者[排尿困難が悪化するおそれがある。]
次の診断を受けた人
高血圧
【禁忌】
・重症の高血圧の患者[症状が悪化するおそれがある。]
【慎重投与】
・高血圧の患者[血圧が上昇するおそれがある。]
次の診断を受けた人
心臓病
【禁忌】
・重症の冠動脈疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。]
【慎重投与】
・虚血性心疾患の患者[虚血性心疾患が悪化するおそれがある。]
次の診断を受けた人
甲状腺機能障害
【慎重投与】
・甲状腺機能亢進症の患者[交感神経刺激作用が増強するおそれがある。]
次の診断を受けた人
糖尿病
【慎重投与】
・糖尿病の患者[血糖値が上昇するおそれがある。]
【相談すること】
授乳中の人 【妊婦、産婦、授乳婦等への投与】
・授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[塩酸プソイドエフェドリンは、ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。]
かぜ薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬等により、不眠、めまい、脱力感、震え、動悸を起こしたことがある人 【禁忌】
・交感神経刺激薬による不眠、めまい、脱力、振戦、不整脈等の既往歴のある患者[塩酸プソイドエフェドリンの交感神経刺激作用が強くあらわれるおそれがある。]
次の診断を受けた人
腎臓病
【用法及び用量に関連する使用上の注意】
・塩酸プソイドエフェドリンは主として腎臓を経て尿中に排泄されるので、腎機能障害のある患者では適宜減量すること。[排泄が遅延し、作用が強くあらわれるおそれがある。]
【慎重投与】
・腎機能障害のある患者
モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)で治療を受けている人 【併用注意】
・選択的MAO-B阻害剤:セレギリン
臨床症状・措置方法:血圧上昇等が起こるおそれがある。
機序・危険因子:セレギリンのMAO-B選択性が低下した場合、交感神経刺激作用が増強されると考えられる。
掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。掲載日:2015年06月25日