知っておこう、「ジフェンヒドラミン塩酸塩」

ストレスや心配事などによる一時的な不眠に用いる睡眠改善薬。その主成分のジフェンヒドラミン塩酸塩は、医療用医薬品ではそれほど製剤数が多くない抗ヒスタミン成分ですが、OTC医薬品では非常に多くの製剤に配合されています。ここでは、ジフェンヒドラミンのOTC医薬品と医療用医薬品の違いについて、内服(経口投与)で比較してみましょう。

知っておこう、「ジフェンヒドラミン塩酸塩」

【適用・用量について】

医療用の内服薬としては、主に皮膚のアレルギー疾患、蕁麻疹などに用いられるジフェンヒドラミン塩酸塩ですが、OTC医薬品ではさまざまなカテゴリーの医薬品に配合されています。

OTC医薬品 医療用医薬品
内服(経口投与)成人量
・かぜ薬、鼻炎用内服薬
 最大量 1日:75mg
・鎮咳去痰薬、アレルギー用内服薬
 最大量 1回:30mg、1日:90mg
・鎮暈薬(乗り物酔い防止薬)、睡眠改善薬
 1回:50mg
1回量:30~50mg、1日2~3回(適宜増減)

【使用上の注意のポイント】

ジフェンヒドラミンの中枢抑制作用によって眠気等が起こるおそれがあるため、一般用医薬品では「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」が記載されます。これは、抗ヒスタミン成分の一般的な記載事項ですが、ジフェンヒドラミンはとくに中枢抑制作用が強い抗ヒスタミン成分であるとされ、この作用を利用して、睡眠改善薬の主成分としても用いられています。また、「してはいけないこと」に、授乳に関する注意が記載されますが、これは、ジフェンヒドラミンが乳汁を通じて乳児に移行し、その中枢抑制作用によって、乳児に昏睡を起こすおそれがあるためです。
なお、「相談すること」として、抗コリン作用による「排尿困難」「緑内障」などに対する注意が記載されます。

OTC医薬品 医療用医薬品
【してはいけないこと】
服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと
(眠気等があらわれることがある)
【重要な基本的注意】
眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること 【妊婦、産婦、授乳婦等への投与】
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。〔母乳を通して乳児の昏睡がみられたとの報告がある。〕
【相談すること】
妊婦又は妊娠していると思われる人 【妊婦、産婦、授乳婦等への投与】
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。〔抗ヒスタミン剤を投与された患者群で、奇形を有する児の出生率が高いことを疑わせる疫学調査の報告がある。〕
次の症状がある人:排尿困難
※排尿筋の収縮が抑えられ、排尿しにくくなる。
【禁忌】
前立腺肥大による排尿障害のある患者
〔さらに尿を出にくくすることがある。〕
次の診断を受けた人:緑内障
※瞳孔散大によって房水の排出路が狭くなり、眼圧が亢進する。
【禁忌】
緑内障のある患者
〔眼内圧を高め、症状を悪化させることがある。〕

このほか、OTC医薬品の睡眠改善薬では、使用上の注意「してはいけないこと」の「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと」と併せて「本剤の服用により、翌日まで眠気が続いたり、だるさを感じる場合は、これらの症状が消えるまで、乗物または機械類の運転操作をしないでください」といった注意が記載されます。

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。掲載日:2013年07月11日